
レジオネラ菌は、医療機関や介護施設にとって、決して他人事ではない衛生リスクです。厚生労働省は、レジオネラ症を四類感染症として位置づけており、汚染されたエアロゾルの吸入によって感染することがあると案内しています。代表的な感染源として、冷却塔水、加湿器、循環式浴槽などが挙げられており、重症化するとレジオネラ肺炎として命に関わるケースもあります。特に高齢者や基礎疾患を持つ方が多い現場では、日常的な設備利用がそのまま感染リスクになり得る点を見落としてはいけません。
実際の現場では、「設備点検は委託しているから大丈夫」と考えられがちですが、レジオネラ対策はそれだけでは不十分です。使用頻度の低いシャワーや蛇口に滞留水が発生していないか、加湿器の管理が現場任せになっていないか、清掃や記録が担当者依存になっていないか、設備管理会社と現場スタッフの認識にズレがないかといった、日常運用の隙間にリスクが潜みます。特に入浴介助や口腔ケア、洗面動線が多い介護施設では、“毎日使っている設備”ほど注意が必要です。
医療ディーラーがここで発揮できる価値は、設備そのものの販売ではなく、現場運用を整える視点です。たとえば、加湿器や給湯設備周辺の衛生管理ルールを見える化する、スタッフが確認しやすい掲示やチェック体制を整える、入浴関連動線の衛生用品を再配置する、感染対策製品と設備運用を一体で提案するなど、現場は“気づいているけれど手が回らない課題”を多く抱えています。そこに寄り添える提案は、単価以上の信頼を生みます。
レジオネラ菌は、派手な話題ではない一方で、施設の安全性を左右する重要なテーマです。だからこそ、医療ディーラーは「設備に問題があるか」ではなく、「運用に抜けがないか」という視点で関わることが大切です。日常の当たり前を見直す提案こそが、医療・介護施設にとって最も実践的な感染対策になります。

